プレ大会 ルールの概要


プレ大会のために用意した暫定版のルールに基づいて, 競技が行なわれました.

実験フィールド

実験フィールド

実験フィールドは1/8スケールで被災した市街地を模擬したもので,格子状の 道路(幅800mm)に囲まれた3×3=9個の区画(ゾーン,大きさ1200mm×1200mm)と, ロボットベースからの通路より構成されています.道路の何ヶ所かは瓦礫によっ て塞がれていますが,それ以外の部分は平坦で,自律型ロボットの目印や遠隔 操縦の助けになるように白いセンターラインが設けられています.9つの区画 は,不整地ゾーン1,ガレキゾーン5,ギミックゾーン2,ホスピタルゾーン1よ り成ります.ダミーは,いずれかのガレキゾーンに配置されており,これを救 出しホスピタルゾーンまで搬送します.ダミーや道路上の瓦礫の位置は,参加 チームには知らされていません.

ロボット

無線カメラを搭載した遠隔操縦型ロボットの一例 (NOB'S)

ロボットには無線カメラを搭載し,オペレータはフィールドを直接見ずに,カ メラから送られてくる映像だけを頼りに,無線遠隔操縦を行います.また,人 間が操縦するのではなく,自分で判断して行動する自律型のロボットを使うこ とも認められています.複数台のロボットは競技開始時にはロボットベースに 待機しており,開始の合図によりフィールドに向かいます.

ロボットには,貸与された無線カメラとラジコン送受信機だけを使うこと,競 技開始時に全機がスタートゾーンに収まることが求められています.しかし, 台数,寸法,重量,エネルギー源などには制限はありません.自由な発想を促 すために,できるだけ制限をしないという基本方針を設けています.各チーム は,大会の日までにレスキュー活動に適した独自のロボットの設計と製作を行 なってきました.

ダミー

要救助者を模擬したセンサダミー

要救助者を模擬した身長23cmの人形で,感圧導電性フィルムが巻かれており, 体をつかまれるとその圧力を検出することができます.プレ大会では,システ ムが不調のため,ダミーのセンサ値は評価に利用しませんでした.
ダミーの詳細

チーム

競技中のコントロールルームの中の様子

チームを統括する「キャプテン」,フィールドの俯瞰映像を撮影する「バード アイビューア」,ロボットを操作する「オペレータ」,チームのアピールを発 表する「プレゼンター」より構成されます.バードアイビューアだけは壁越し にフィールドをカメラで撮影することが許されています.その映像はコントロー ルルーム内のオペレータに提供されます.プレゼンターは,競技中はフィール ド側におり,ロボットの操縦に関与できません.

点数評価

  総合評価     = 第1ラウンド小計 + 第2ラウンド小計 + 審査員点   ×4
  (1000点満点)    (300点満点)         (300点満点)       (100点満点)
各ラウンドの小計は,以下の3つのポイントを足したものです.
エネルギーポイント
最初100点で,「ダミーに対するイエローフラグ」が宣告される度に, 20点減らされます.当初は,ダミーのセンサの検出値に基づき, 過大な力を受ける度に点数を減らす予定でした(減少は指数関数的とし, 点はゼロやマイナスにはならない).
ミッションポイント
救助活動の達成度を評価します. 「現場到着」「救出完了」「搬送完了」が達成するたびに所定の点数が 加えられます.100点満点.
タイムポイント
救助を全て完了した時点での残り時間を評価します. 時間残り5分までは100点で,その後から減り始める,制限時刻で0点に なります.
ラウンド小計の途中経過は,両脇のスクリーンに常に表示されています.

得点表示スクリーンの説明

反則

レスキューに反する行為,フィールドや人形の破壊,危険行為などに対しては, 審判の判断で反則が取られます.反則は,「イエローフラグ (警告)」「レッ ドフラグ(退場)」「ブラックフラグ(失格)」の3つに分類されます.これらに 対するペナルティは,競技の一時停止,ロボットの退場,競技の没収です.当 初,ペナルティは点数評価に無関係にする予定でしたが,ダミーのセンサが不 調のため,「ダミーに対するイエローフラグ」の度に,エネルギーポイントを 20点減ずることにしました.

競技の進行

ロボットの特徴を披露するプレゼンテーション *1
(その間にロボットのセッティング)
5分×2チーム
バードアイビュアの映像を基に作戦会議 3分
作戦内容の紹介 *2 1〜2分×2チーム
救助活動 10 または 15分
終了後インタビュー 1〜2分×2チーム

*1 第1ラウンドではなし.
*2 第2ラウンドではなし.
(C) 2000 Rescue Robot Contest Committee