このページでは、初参加チームに向けて、コンテストの簡単な概要と最低限の規定を記載しています。 規定に関しては、規定の中でも特に重要な部分を以下にピックアップして記載しています。 以下に記載されている内容は、コンテスト参加にあたり最低限必要な知識となりますので、必ず規定すべてに目を通してください。 「規定」に記載されている内容を把握しておらず不利益が生じた場合、それはチームの責任となります(規定は、適宜更新される可能性があます)。 またコンテストの「フィロソフィー」も必ず一度目を通してください。
2022大会における主な変更点
- 競技会予選をオンライン開催にて実施。
2022大会の流れ
- 2022年1月31日 参加申し込み締め切り
- 2022年2月21日 書類審査結果通知
- 主催者枠最大2チーム、機器貸与を希望するチームからレスコンボードを貸与するチームを上限25チーム程度で決定する。
- 2022年3月26日 レスコンボード講習会(オンライン開催)
- レスコンボードの使用法について講習する。
- 2022年6月26日 競技会予選(オンライン開催)
- 予選では本選に出場する14チームを選抜する。
- 2022年8月13、14日 競技会本選
- 予選を通過したチームがレスキュー工学大賞を目指して競技する。
コンテスト概要
レスコンは、大地震で半倒壊となったビルや施設内部を模擬した1/4スケールの実験フィールドで競技が行われる。フィールド内には、被災した人間を模擬した人形「レスキューダミー」(愛称:ダミヤン)が取り残されている。
状況設定(競技シナリオ)
被災した建物内(病院/高齢者施設/オフィスビル/工場など)で取り残された人をを探して一刻もはやく助け出さなければなりません。そこで、出動要請を受けたレスキューロボット隊が救出に向かいます。ところが大規模停電が発生し視界が悪く,地震再発の恐れもあるため大変危険な状態です。
レスキューロボット隊は、通電・復電火災やガス爆発による二次災害の発生防止対策を行うとともに、現場を調査し、被災状況などを報告する。一方で、通路上にある障害物を撤去し救出経路を確保するとともに、ダミヤンを探索発見し、居場所や容体を報告します。そして、必要に応じてショアリングやクリビングなどにより什器や瓦礫などの安定化を図り、ダミヤンをはやく、やさしく救出し安全な場所まで搬送します。
競技会本選フィールドおよび競技ミッション説明動画
競技会本選で使用する競技フィールドと競技ミッションの説明動画になります。
競技会本選の競技フィールド
競技フィールドは、テストフィールド、コントロールルームで構成されている。
テストフィールドは、被災した倒壊建屋内を模擬しており、コントロールルームは被災していない安全な場所と想定している。
テストフィールドおよびスタートエリアとコントロールルームが離れた場所であることを模擬するために、隔壁で区分けし、直接情報収集ができない状況を作り出しており、キャプテン、オペレータ、エンジニア、通信デバイス管理者はコントロールルーム内で活動を行います。
テストフィールドは、フィールドと外部フィールドに区分される。
レスキューダミー(愛称:ダミヤン)
要救助者を模擬した身長20~30cmの人形(※複数用意されているが、寸法、形状や質量にはばらつきがある)で、内蔵された各種センサにより、ボディへの余分な力や手荒な扱いを検知し、それらの信号は競技フィールド外のコンピュータヘ無線で送信されます。それらの信号に基づいて痛みなどのダメージを計算してダミヤンインジケーター画面に表示します.また,離れた場所から要救助者の容体を判定することを想定して、各ダミヤンには「顔の色(頭部の一部の発色」「音声(周波数)」「鳴動パターン」「二次元コード(QRコード)」の4つの識別因子が設定されており、それらの情報から「歩行」「負傷」「呼吸」「脈動」「意識」の5つについて容体判定を行います。
ロボットについて
ロボットの制限について
ロボットは遠隔操作型あるいは自律型とする。 ロボットにはカメラが搭載されており、メンバーは競技フィールドを直接見ずに(競技会予選は目視可能)、カメラの映像や様々なセンサ情報だけを頼りに無線および有線で遠隔操縦を行います。ロボットの台数、サイズ・重量・機数に制限はないが、ロボットベース内にすべてのロボット(使用する交換部品等を含む)を配置でき、実験フィールドへはベースゲート(幅700mm×高さ600mm)を通過しなければならない。なお、ロボットを操作できるオペレータは2名までに制限されています。
- ロボットベース
- ベースゲート
ロボット上部のわかりやすい位置に、操作が容易にできるように、すべてのエネルギー源を遮断できる緊急停止スイッチを取り付けなければならない。
ロボットのエネルギー源について
- 競技中のロボットのエネルギー源はチームで用意すること。
- 使用できる電池は、リチウムリン酸鉄充電池、ニッカド充電池、ニッケル水素充電池、密閉型鉛蓄電池および乾電池である。ただし、それらの電池は市販状態で使用するものとし、自作の電池パック等の使用は禁止する。使用するエネルギー源(充電器等を含む)は実行委員会に申請する必要があり、申請の無いエネルギー源について、利用することは認めない。
- 生命体をエネルギー源として利用することは認めない。
操作方式について
無線LAN接続に加え、有線による接続が可能であり、1 台のロボットが、無線通信と有線通信の2つを同時に利用することもできる。
なお、実行委員会が推奨する無線機器は、レスコンボードである。
レスコンボードに関しては、機器貸与チームに選ばれた各チームに2セットづつ貸与する。
また、機器貸与チームに選ばれなかったチームまたはレスコンボード以外を使用するチームは、各自で用意しなければならない。
レスコンボードを各チームで購入することは可能です
なお、利用できる無線機器の使用数は制限しないが、台数が増えると帯域を圧迫し、映像遅延、操作不能などが発生する可能性が高まる。
ロボット検査について
競技会本選に参加する前に、すべてのロボットはロボット検査を受けなければならない。ロボット検査はレスキューロボットコンテストのフィロソフィー、開催趣旨および規定に則り、ロボットアイデア用紙をもとに1 機ごと行われる。また、合わせてレスキュー活動開始時に係る制限事項の確認を行う。検査結果に異議を唱えることはできない。なお、書類審査にて提出された構想と明らかに異なるロボットはロボット検査に不合格となる。
メンバー構成
競技会において、コントロールルームに入り競技を行うことができるメンバー。競技メンバーは、チームメンバーの中から登録し、7名を上限とする。
ミッションメンバーはそれぞれ以下に示す担当を務める。
(一部は兼務可能)
- ・キャプテン
- →チームの指揮を執り、チームを総括する。リスタートの要請を行う。
- ・スピーカー
- →ロボットおよび戦術のプレゼンテーションを行う。
- ・オペレータ
- →ロボットの操縦、操縦の補佐、コントロールルーム内のロボットの整備を行う。競技中は、オペレータのみロボットを操縦することが出来る。2 名を上限とする。
- ・エンジニア
- →ロボット操縦の補佐、コントロールルーム内のロボットの整備を行う。競技中にロボットのコントローラに触れることは認められない。
- ・通信デバイス管理者
- →ロボット通信システムおよびそれに関連する機器の管理を行う。
- ・ヘルパー
- →競技中に主にテストフィールド で ロボットの運搬、整備等を行う。また、 リスタート時など 審判の指示を受けた際に、フィールドに侵入しロボットを回収する。
競技会予選の評価について
競技会予選では、各チームは「課題フィールドA」、「課題フィールドB」の2つを用意し、それぞれの課題の実施動画を撮影し、動画ファイルを事前に提出いただき、評価を行います。
詳しい内容は、「規定」の別添6をご確認ください。
なお、競技会本選への選出チームの内訳は、主催者枠 1〜2 チーム、競技ポイントに基づく選抜 8〜9 チーム(ただし、競技ポイントを獲得したチームに限る)、およびアイデアなどが評価された 4 チームである。
競技会本選の評価について
ポイントの内訳は以下のとおりである。
- 競技ポイント(1200点満点)
- = ファーストステージ確定ポイント(600点満点)+ ファイナルステージ確定ポイント(600点満点)
- 総合ポイント(1800点満点)
- = 競技ポイント+ 審査員ポイント(600点満点)
また、各ステージごとの確定ポイント(600点満点)は,救出中の各ダミヤンに対するダメージ(フィジカルポイント)と各ミッション作業の達成度を評価する(ミッションポイント)を総合した点数で評価されます。ダメージはダミヤンに内蔵されたセンサで判断します。また、ミッションポイントは「作業ミッション」「調査報告ミッション」「救出ミッション」の3つのミッションの達成度でポイントが発生します。各ポイントの詳細を以下に記します。
フィジカルポイント (100点満点/ダミー)
ダミヤンの体力を表しています。時間の経過と共に値が徐々に減っていき、ダミヤンに内蔵されたセンサが力や衝撃を検出する度に値がさらに減ります。これらは、ダミヤンごとに評価され、最初の値は100点です。
「支援物資提供タスク」によるヒーリングインデックスによりフィジカルポイントの回復が行われた場合であっても、フィジカルポイントの最大値が100点を超えることはありません。
ミッションポイント(300点満点)
ミッションポイントの内訳は以下のようになっています。
- 「作業ミッション」(60点満点)
-
・障害物除去タスク(30点/障害物)
→現場へ到着するため、またダミヤンの安全な搬送ルートを確保するために通路の障害物を指定された場所に撤去することで与えられる。 - 「調査報告ミッション」(90点満点)
-
・現場到着タスク(10点/ルーム)
→調査対象の現場(ルーム内)に、ロボットが到着することで与えられる。 -
・被災状況報告タスク(20点/ルーム)
→現場(ルーム内)のダミヤンの存在有無や二次災害の発生原因となりえる「ストーブ」や「電気スタンド」等の存在有無を報告する。正しく識別することで与えられる。本タスクでレスキューダミーを発見したと報告した場合、救出ミッションが発生する。 - 「救出ミッション」(150点満点)
-
・支援物資提供タスク(10点/ダミー)
→救出を指示されたダミヤンに対して、指定された範囲(ブロック)に支援物資を正立状態で提供することで与えられる。 -
・容体判定タスク(20点/ダミー)
→容体判定の正解数に応じて与えられる。判定は「QRコード」「目の色」「鳴動パターン」「音」の4つの因子を識別したうえで、下の表の5つの項目に関してダミヤンの容体判定を行う。なお、容体判定ポイントの内訳は、各項目を正しく識別することで項目毎に4点が与えらる。
-
・救出(10点/ダミー)
→ダミヤンをルーム内より救出することで与えられる -
・搬送(10点/ダミー)
→ダミヤンを救出(屋外)エリアまで搬送することで与えられる。
反則について
レスキューに反する行為、フィールドやダミヤンの破壊、危険行為などに対しては、審判の判断で反則が採られます。
反則の概要
- A. 反則の種類
- 反則は「イエローフラグ(警告)」「レッドフラグ(退場)」「ブラックフラグ(失格)」の3 種類がある。
- B. 反則の宣告
- 反則の宣告は、該当するロボット・チームメンバー・チームに対してその色のフラグを提示し、主審が宣告することにより行う。また、宣告時にその具体的内容を簡潔に説明する。
- C. 反則の判断と決定
- 反則であるかどうかの判断は副審もしくは主審が行い、主審がこれを決定する。主審の決定に従い、主審もしくは副審が反則を提示する。
- D.反則内容の確認
- 競技後に、キャプテンは自チームが宣告を受けた反則に対して、主審にその具体的内容の説明を求めることができる。
フラグの種類
- イエローフラグ(警告)
- A. 審判が望ましくないと判断した行為に与えられる。
B. ロボット 1 機ごとに与えられる。
C. 同一のロボットに対し、1 回のレスキュー活動において2 回イエローフラグが与えられた場合レッドフラグとなる。 - レッドフラグ(退場)
- A. 極めて危険な行為、コンテストのフィロソフィーおよび開催趣旨に反する明確な、あるいは、
意図的な行為に与えられる。
B. ロボット 1 機ごとに与えられる。
C. レッドフラグが与えられたロボットは退場扱いとなりその競技に復帰することはできない。 - ブラックフラグ(失格)
- ブラックフラグが宣告されると、その時点でチームは失格となり競技を中止しなければならない。
競技中にチームメンバーやチーム全体がコンテストのフィロソフィーおよび開催趣旨に関する重大な違反をしている場合に与えられる。
A. チームに対して与えられる。
B. 自チームの競技時以外の違反行為でも、与えられる。
レスキュー工学大賞について
レスコンでの評価は、ただ競技のポイントが高ければいいというものではない。
レスコンで与えられる最高の賞である「レスキュー工学大賞」は「チームのコンセプト」、「技術力」、「組織力」を総合して評価された結果であることから、賞に関する選定は書類審査の段階から始まっている。
詳しくは「レスキュー工学大賞」を参照。
なお、レスコンではこの他にもさまざまな賞があたえられる。
詳しくは、「第20×21回大会 表彰結果」を参照。