去る2017年6月25日(日)大阪府立北大阪高等職業技術専門校および2017年7月2日(日)に東京都立産業技術高等専門学校 荒川キャンパスにおいて開催された「inrevium杯第17回レスキューロボットコンテスト 競技会予選」の競技結果について報告します。
評価方法
第17回 競技会予選における評価について
大阪予選・東京予選の競技においては、ダミヤンに対する圧迫力・衝撃力・姿勢を評価するセンサシステムに不具合が生じたため、これらの計測ができませんでした。
しかしながら、レスコンは「やさしさ」をコアコンセプトとしており、ダミヤンへの接し方についての評価は不可欠と考えています。そのため、ダミヤンの様子を担当する審判による主観的評価により、ダミヤンに与えられたダメージを評価いたしました。この評価手法は第15回まで規定されていたフラグモードと同じ運用です。
※参考:第15回レスコン規定
なお、審判はフラグモード運用のための訓練を行っていますので、評価基準の多大な差異はありません。
また、ダミヤンのセンサシステムの不具合のため、容体判定のための識別情報の提示を完全にはできなかったため、両予選での運用を停止し、コントロールルーム内の入力端末を停止または撤去いたしました。そのため、容体判定のポイントは全チームとも0ポイントといたしました。
評価方法 詳細
第17回の競技会予選では、通常以下の通り行われる各ポイントの評価を、下記表の通り変更しています。
- フィジカルポイント (100点満点/体) ダメージインデックスとタイムインデックスにより評価。
- ミッションポイント (50点満点/体) 救出完了(20点/体)、搬送完了(10点/体)、容体判定(20点/体)の合計。
通常 | 通常 | 第17回 予選 |
---|---|---|
フィジカルポイント | 100点満点/体 | 100点満点/体 |
ダメージインデックス (センサモード) | ダメージインデックス (フラグモード) |
|
タイムインデックス | タイムインデックス | |
ミッションポイント | 50点満点/体 | 30点満点/体 |
救出完了 | 救出完了 | |
搬送完了 | 搬送完了 | |
容体判定「有」 | 容体判定「無」 | |
合計ポイント | 150点満点/体 | 130点満点/体 |
※ダメージインデックスのフラグモードにおける評価方法は、第15回レスコン規定の「2.8.1. フィジカルポイント」に準じます。
競技結果
大阪予選
チーム名 | ダミヤン1 | ダミヤン2 | 減点 | 確定ポイント | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
色 | フィジカルP | ミッションP | 色 | フィジカルP | ミッションP | |||||||||
暫定値 | BF | 確定値 | 救出 | 搬送 | 暫定値 | BF | 確定値 | 救出 | 搬送 | |||||
MIC team R | 緑 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 青 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
肥後もっこす | 黄 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 橙 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 |
MCT | 緑 | 80 | 5 | 39 | 20 | 10 | 青 | 67 | 4 | 33 | 20 | 10 | 0 | 132 |
レスキューHOT君 | 黄 | 63 | 4 | 28 | 20 | 10 | 橙 | 11 | 7 | 0 | 20 | 10 | 0 | 88 |
とくふぁい! | 緑 | 78 | 4 | 43 | 20 | 10 | 青 | 40 | 4 | 5 | 20 | 10 | 0 | 108 |
Robo.Lab. | 黄 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 橙 | 42 | 10 | 0 | 20 | 10 | 0 | 30 |
メヒャ! | 緑 | 35 | 16 | 0 | 20 | 10 | 青 | 78 | 2 | 59 | 20 | 10 | 0 | 119 |
おかQ | 黄 | 64 | 4 | 30 | 20 | 10 | 橙 | 13 | 2 | 0 | 20 | 10 | 0 | 90 |
なだよりあいをこめて | 緑 | 0 | 9 | 0 | 0 | 0 | 青 | 64 | 8 | 7 | 20 | 10 | 10 | 27 |
六甲おろし | 黄 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 橙 | 0 | 9 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
SUKUI隊 | 緑 | 0 | 8 | 0 | 0 | 0 | 青 | 4 | 1 | 0 | 20 | 10 | 5 | 25 |
大工大エンジュニア | 黄 | 81 | 2 | 62 | 20 | 10 | 橙 | 78 | 4 | 43 | 20 | 10 | 0 | 165 |
都工機械電気 | 緑 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 青 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
がんばろうKOBE | 黄 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 橙 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
救命ゴリラ!! | 緑 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 青 | 0 | 7 | 0 | 0 | 0 | 10 | 0 |
Fukaken&D | 黄 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 橙 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 |
東京予選
チーム名 | ダミヤン1 | ダミヤン2 | 減点 | 確定ポイント | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
色 | フィジカルP | ミッションP | 色 | フィジカルP | ミッションP | |||||||||
暫定値 | BF | 確定値 | 救出 | 搬送 | 暫定値 | BF | 確定値 | 救出 | 搬送 | 長湫ボーダーズ | 緑 | 49 | 1 | 39 | 20 | 10 | 青 | 57 | 1 | 47 | 20 | 10 | 0 | 146 |
ピースメイト | 黄 | 5 | 5 | 0 | 20 | 10 | 橙 | 0 | 8 | 0 | 20 | 0 | 15 | 35 | IPL0x16 | 緑 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 青 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 10 | 0 |
レスキューやらまいか | 黄 | 49 | 9 | 0 | 20 | 10 | 橙 | 39 | 25 | 0 | 20 | 10 | 5 | 55 | RMF Rescue | 緑 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 青 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 0 |
産技荒川隊 | 黄 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 橙 | 0 | 27 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 |
本選進出 選抜方法
本選へ選抜される14チームの選抜方法は以下のとおりである。
- 確定ポイント枠(9チーム)
- ・主催者枠を除く大阪予選における確定ポイント最高点1チーム
- ・主催者枠を除く東京予選における確定ポイント最高点1チーム
- ・主催者枠および上記2チームを除く両予選における確定ポイントの上位7チーム
- 主催者枠(1チーム)
- ・書類審査時に選出された1チーム
- チャレンジ枠(4チーム)
- ・上記チーム以外の中からアイデアなどが評価された4チーム
本選選抜チーム
主催者枠(1チーム)
チーム名 | 団体名 |
---|---|
レスキューHOT君 | 近畿大学 ロボット工作研究会 |
確定ポイント枠(9チーム)
各予選最高ポイントチーム(2チーム)
チーム名 | 団体名 | 会場 |
---|---|---|
大工大エンジュニア | 大阪工業大学 モノラボロボットプロジェクト | 大阪 |
長湫ボーダーズ | 愛知工業大学 レスキューロボット研究会 | 東京 |
予選確定ポイント上位チーム(7チーム)
チーム名 | 団体名 |
---|---|
MCT | 松江高専 機械工学科 |
メヒャ! | 岡山県立大学 ロボット研究サークル |
とくふぁい! | 徳島大学 ロボコンプロジェクト |
おかQ | 岡山大学 ロボット研究会 |
レスキューやらまいか | 静岡大学 ロボットファクトリー |
ピースメイト | 愛知総合工科高校 専攻科 |
Robo.Lab. | 広島大学 ロボコンサークル |
チャレンジ枠(4チーム)
チーム名 | 団体名 | 選定理由 |
---|---|---|
がんばろうKOBE | 神戸市立高専 | 双腕マスタ・スレーブ制御を実装した上半身人型ロボットによる直感的操作や展開式アームにより瓦礫を除去せずに支える方法など、「無駄のないレスキュー活動」をコンセプトに具体的なアイデアを提案している点を評価した。 |
救命ゴリラ!! | 大阪電気通信大学 自由工房 | 家ガレキ中のダミヤン救出のために、移動式ジャッキメカ、壁除去用の吸着機構、特殊ベルトコンベア機構などの幾つかの機構を考案し、それらの実現度が高い点を評価した。また救援物資搬入というアイデアも興味深い。 |
なだよりあいをこめて | 神戸市立科学技術高校 科学技術研究会 | 過去の震災で実際に行われたレスキュー活動の課題調査に基づき、ロボットによる情報収集とチーム内共有方法、ロボットの安全対策、展開型救援所をはじめとする被災者サポートのためのアイデアなどを具体的に示した点を評価した。 |
都工機械電気 | 大阪市立都島工業高校 機械電気科 | スライド形ベッドや担架形ベッドで優しく救助・搬送したり、荒地(バンプププレート)をカバーして搬送時の振動を抑えたりするなど、「要救助者が安心できる救助と負担の少ない搬送」を基本テーマに据えている点を評価した。 |