第16回レスキューロボットコンテスト
競技会予選 開催報告
去る2016年6月26日(日)に神戸サンボーホールおよび2016年7月3日(日)に東京都立産業技術高等専門学校 荒川キャンパスにおいて開催された「inrevium杯第16回レスキューロボットコンテスト 競技会予選」について報告します。
競技会予選とは
書類審査で採択された24チームから、2016年8月6日(土)〜7日(日)の競技会本選に参加する14チームを選出します。 本選よりも小さめのフィールドで実際に救助活動を行ってもらい、ロボットの完成度やアイデアの実現度、チームの操縦技術を評価しました。
参加チーム
参加チームのページを参照。
評価方法
競技会本選より小型のフィールドを用意し、実際にダミヤンを救助します。 本選との大きな違いは、目視による操縦が許されている点です。 競技は救出中のダミヤンに対するダメージ(フィジカルポイント)と救出状況(ミッションポイント)を総合した点数で評価されます。また第13回より予選でも、ダミヤンに内蔵されたセンサーでダメージを判断します。
ポイント詳細
各ミッションの確定ポイント(300点満点)は,以下の二つのポイントを足したものです。
- ミッションポイント (50点満点/体)
救助作業の達成度を評価します。内訳は以下のようになっています。- 「救出完了」20点
ダミヤンをエリアから道路へ完全に出すと与えられる。 - 「搬送完了」10点
ダミヤンをロボットベースまで連れ帰ると与えられる。 - 「個体識別」20点
個体識別因子の正解数に応じて与えられる。識別には「眼の色」「周波数」「体重」「マーカ」「点滅」の五つの因子があり、正解1で10点、正解2で14点、正解3で16点、正解4以上で20点が与えられる。
- 「救出完了」20点
- フィジカルポイント (100点満点/体)
ダミヤンの体力を表しています。時間の経過と共に値が徐々に減っていき、ダミヤンに内蔵されたセンサが力や衝撃を検出する度に値がさらに減ります。これらは、ダミヤンごとに評価され、最初の値は100点です。
競技結果
神戸予選
チーム名 | ダミヤン1 | ダミヤン2 | 減 点 | 確 定 ポ イ ン ト | ||||||
色 | フ ィ ジ カ ル P | ミッションP | 色 | フ ィ ジ カ ル P | ミッションP | |||||
救出 + 搬送 | 識 別 | 救出 + 搬送 | 識 別 | |||||||
救命ゴリラ!! | 紫 | 0 | 0 | 0 | 緑 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
おかQ | 桃 | 0 | 0 | 0 | 黄 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 |
メヒャ! | 紫 | 55 | 30 | 16 | 緑 | 8 | 30 | 14 | 10 | 143 |
とくふぁい! | 桃 | 4 | 30 | 14 | 黄 | 0 | 0 | 16 | 5 | 59 |
MIC team R | 紫 | 0 | 0 | 0 | 緑 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
WADAI救命9課 | 桃 | 11 | 30 | 14 | 黄 | 0 | 0 | 0 | 0 | 55 |
MCT | 紫 | 4 | 30 | 14 | 緑 | 37 | 30 | 16 | 0 | 131 |
レスキューHOT君 | 桃 | 42 | 30 | 10 | 黄 | 48 | 30 | 10 | 0 | 170 |
大工大エンジュニア | 紫 | 47 | 30 | 14 | 緑 | 39 | 30 | 10 | 0 | 170 |
がんばろうKOBE | 桃 | 9 | 30 | 14 | 黄 | 0 | 0 | 10 | 0 | 63 |
なだよりあいをこめて | 紫 | 0 | 20 | 0 | 緑 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 |
六甲おろし | 桃 | 0 | 0 | 0 | 黄 | 0 | 0 | 14 | 5 | 9 |
六甲おろしシニア | 紫 | 0 | 0 | 14 | 緑 | 3 | 30 | 20 | 0 | 67 |
Fukaken | 桃 | 0 | 0 | 14 | 黄 | 0 | 0 | 0 | 0 | 14 |
大阪府大高専土井研 | 紫 | 0 | 0 | 16 | 緑 | 0 | 0 | 10 | 5 | 21 |
SUKUI隊 | 桃 | 3 | 30 | 0 | 黄 | 0 | 0 | 0 | 10 | 23 |
都工機械電気 | 紫 | 59 | 30 | 16 | 緑 | 53 | 30 | 14 | 0 | 202 |
東京予選
チーム名 | ダミヤン1 | ダミヤン2 | 減 点 | 確 定 ポ イ ン ト | ||||||
色 | フ ィ ジ カ ル P | ミッションP | 色 | フ ィ ジ カ ル P | ミッションP | |||||
救出 + 搬送 | 識 別 | 救出 + 搬送 | 識 別 | |||||||
MS−R | 紫 | 0 | 0 | 14 | 緑 | 25 | 30 | 14 | 0 | 83 |
長湫ボーダーズ | 桃 | 27 | 30 | 0 | 黄 | 38 | 30 | 10 | 0 | 135 |
レスキューやらまいか | 紫 | 0 | 0 | 0 | 緑 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
IPL0x15 | 桃 | 0 | 0 | 10 | 黄 | 0 | 0 | 14 | 0 | 24 |
TRC | 紫 | 0 | 0 | 0 | 緑 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
RMF rescue | 桃 | 0 | 0 | 0 | 黄 | 0 | 0 | 14 | 0 | 14 |
産技荒川隊 | 紫 | 0 | 0 | 16 | 緑 | 0 | 0 | 0 | 0 | 16 |
本選参加チーム
書類審査の際に決定している「主催者枠」の1チームを除いた競技ポイント上位9チーム(神戸予選上位6チーム、東京予選上位3チーム)を「ポイント獲得枠」として選出しました。それ以外に、ロボットの開発への取り組みやアイデアを評価する「チャレンジ枠」として4チームを選出しました。
主催者枠(1チーム)
チーム名 | 団体名 |
なだよりあいをこめて | 神戸市立科学技術高校 科学技術研究会 |
ポイント獲得枠(9チーム)
チーム名 | 団体名 | 予選会場 |
IPL0x15 | 会津大学 コンピュータ理工学部 | 東京 |
MS−R | 金沢工業大学 夢考房 | 東京 |
MCT | 松江高専 機械工学科 | 神戸 |
大工大エンジュニア | 大阪工業大学 モノラボロボットプロジェクト | 神戸 |
長湫ボーダーズ | 愛知工業大学 | 東京 |
都工機械電気 | 大阪市立都島工業高校 機械電気科 | 神戸 |
メヒャ! | 岡山県立大学 ロボット研究サークル | 神戸 |
レスキューHOT君 | 近畿大学 ロボット工作研究会 | 神戸 |
六甲おろしシニア | 神戸大学 | 神戸 |
チャレンジ枠(4チーム)
チーム名 | 団体名 | 選定理由 |
RMF rescue | 電気通信大学 ロボメカ工房 | 小型球体ボディのダミヤン救出用子機やダミヤンをやさしく救助するための義手の機構を応用したアームなどのユニークなアイデアを評価した。 |
がんばろうKOBE | 神戸市立高専 | チーム内外で活動状況を把握できる情報共有システムや、搬送時のダミヤンへの衝撃を吸収するエアバッグなどの説得力あるアイデアを評価した。 |
とくふぁい! | 徳島大学 ロボコンプロジェクト | 規制が厳しくなったにもかかわらず果敢に飛行ロボットに挑戦する姿勢と、個体識別機能に重点を置いた意欲的な救出機構を評価した。 |
六甲おろし | 神戸大学 | ヘッドマウントディスプレイによる立体視やマスタースレーブ式ツインアームなどの新しい技術への挑戦を評価した。 |
来場者数
- 神戸予選:864名
- 東京予選:518名
- 合計:1,382名
同時開催行事
東京予選
- ミニレスキューロボット体験
(レスキューロボットコンテストシーズ実行委員会、埼玉大学ロボット研究会)- 日時:7月3日 14:00〜16:30
- 内容
災害地を模した小さいフィールドを使います。ロボットでケガ人を安全エリアまで運ぼう!
- 特別講演「ジャパンバーチャルロボティクスチャレンジ参加報告」
(主催:レスキューロボットコンテスト実行委員会)- 日時:7月3日14:55〜15:25
- 講演者:土井 智晴 氏(大阪府立大学高専 准教授)
- 対象:大学等関係者,一般の方
- 参加費:無料
- 講演内容
2015年10月に開催されたJVRCの概要および当日様子を簡単紹介します。次に、大阪府立大学高専TEAM NADOがJVRCに参加した時のロボットを実際に動かして当日の様子を模擬的に再現します。 - 講演資料 [PDF, 1904.9KB]
募金金額
会場にて、皆様からお預かりした募金およびチャリティーグッズの売り上げは以下の通りでした。
- 神戸予選
- 2,916円(募金:1,516円、ホイッスル:1,400円)
なお、競技会本選にて募金いただいた金額を総計して、すべてを日本赤十字社に寄付をする予定です。