プレ大会のルール
(1)競技時間
競技は第1ラウンドと第2ラウンドの2回実施する。
第1ラウンドでは1体の、第2ラウンドでは2体のダミーを救出する。
プレゼンテーション(以下プレゼンと略記)は第2ラウンドでのみ実施する。
1.第1ラウンド
セットアップ : 3分(前の競技の終了後直ちに開始する)
作戦タイム : 3分
作戦内容紹介 : 各チーム1〜2分(キャプテンが行う)
レスキュー活動 : 10分
終了後インタビュー : 各チーム1〜2分
結果発表 : 1〜2分
2.第2ラウンド
事前プレゼン : 各チーム5分(プレゼンテーターが行う)
セットアップ : 10分(プレゼン中に実施する)
作戦タイム : 3分
レスキュー活動 : 15分
終了後インタビュー : 各チーム1〜2分
レスキュー活動の時間は、両チームがすべてのレスキュー活動を完了した
時点で打ち切られる。
(2)チーム構成
各チームは以下に示すメンバーから構成されるものとする。
キャプテン 1名
オペレータ 人数制限なし
バードアイビュア 1名以下
プレゼンテータ 1名
ただし、キャプテンはオペレータまたはバードアイビュアを兼任できる。
(3)競技者のフィールドへの立ち入り
1.プレゼンテータは他チームのプレゼンテーションを聴講するものとし、
自チームのセットアップに参加もしくは、アドバイスを行ってはならない。
2.レスキュー活動中、プレゼンテータは実験フィールド内で待機しなければなら
ない。
3.プレゼンテータ以外の競技者は、実験フィールドに一切立ち入ってはならない。
4.プレゼンテータはロボットのリスタートなどの場面において、主審の許可を得
てフィールド内の指示されたロボットに手を触れ、運搬することができる。
5.キャプテンおよびオペレータは、競技が終了するまで実験フィールドを直接
観察してはならない。
6.バードアイビュアは事前プレゼンが行われている期間中、実験フィールドを
観察もしくは撮影してはならない。
(4)ロボットのリスタート
1.ロボットが操縦不能になった場合、主審の許可を受け、修理を実施しリスタート
することができる。この場合、フィールド内でのリスタートは禁止とし、必ず
ロボットベースまで運搬しなければならない。
2.リスタートする場合、キャプテンの指示により、バードアイビュアが通知し、
主審の許可を受けるものとする。
3.ロボットの停止操作は、プレゼンテータが実施する。
4.ロボットの運搬は、プレゼンテータおよび運営スタッフが行い、他のチーム
メンバーは競技を続行する。
5.プレゼンテータは、ロボットをスタートゾーンまで運搬した後は、速やかに
実験フィールド内の所定位置まで戻らなければならず、他のチームメンバー
への情報伝達を行ってはならない。
6.リスタートは競技時間内であれば、その回数に制限を設けない。
■概要
・反則は
イエローフラグ (警告)
レッドフラグ (退場)
ブラックフラグ (失格)
の3つに分類され,これらに対するペナルティは,競技の一時停止,ロボッ
トの退場,競技の没収であり,点数評価には関係しない.ただし,ブラック
フラグの場合は,点数が無効になる.
■イエローフラグ (警告)
●概要
・望ましくない行為,意図的か偶然か判断しにくい行為に与えられる.
・ロボットに対して与えられる.
・イエローフラグが宣告された場合は,そのチームの総てのロボットは
停止しなければならない.その後,主審からの警告を受け,競技を再開
する.
・同じロボットに対して1試合で3回イエローフラグが与えられると,
そのロボットに対してレッドフラグが与えられる.
●イエローフラグになる反則
・ガレキの破壊.
例外) 道路上のガレキを押し退けたり乗り越えることは許可する.
その結果,道路上のガレキが壊れても反則は取らない.
ただし,その一連の動作の結果として(ガレキを乗り越える際にバランスを崩す
などして),ガレキゾーン内のガレキやギミックを破壊した場合は反則とする.
・フィールドやフィールド上のギミックの破壊.
・レスキューとは無関係な(レスキューに反する)疑いのある行為.
例) 直接的にも間接的にもレスキュー活動をせずに,フィールドを動き回るだけ.
観客の前でパフォーマンスをして何かの宣伝や売名行為をする.
・ロボットがフィールド外に完全に出る (落ちる).
・偶発的か意図的かは問わず,ダミーを損傷させる可能性のある行為.
例)ダミーの手や足を持って振り回すような行為.
ダミーを放り投げる/放り出すような行為.
●イエローフラグの処理手順
・イエローフラグの反則は,原則として副審が判断する.
・反則行為と判断したら,副審が笛を吹き,手に持っている黄色の旗を挙げる.
・すぐに主審がマイクを通じて宣告「…チーム,イエローフラグ」
・宣告されたチームは全てのロボットを停止させなければ
ならない (自律型の場合は,フィールド係が一時停止ボタンを押す).
・停止できない場合は,リスタートを申告することができる.
リスタートの申告がない場合は,停止しないロボットにレッドフラグが
与えられる.
・全てのロボットが停止した後に,主審がマイクを通じて,
反則したロボットの番号と反則の内容を告げる.
「…チーム,X号機,…によりイエローフラグ.」
・そのロボットに対して3回目のイエローフラグの場合(記録係がチェックする)
は,主審はマイクを通じてその旨を告げ,ここから先,レッドフラグの手順に移る.
・レッドフラグになる場合以外は,主審は,全てのロボットが停止してから
20秒以内に再開を指示して合図の笛を吹かなければならない.
・記録係は,1回のイエローフラグの度に以下を記録する.
* 反則したロボットの番号
* 反則の内容
* 副審が笛を吹いた時刻
* 全てのロボットが停止した時刻
* 主審が再開の笛を吹いた時刻
■レッドフラグ(退場)
●概要
・極めて危険な行為,コンテストの主旨に反する明確な,あるいは,意図的な
行為に与えられる.
・ロボットに対して与えられる.
・レッドフラグが宣告された場合は,そのチームの総てのロボットは
停止しなければならない.その後,主審からの指示を受け,
レッドフラグが与えられたロボットを退場させて,競技を再開する.
・1試合でチームの全てのロボットに対してレッドフラグが与えられると,その
チームに対してブラックフラグが与えられる.
●レッドフラグになる反則
・観客やスタッフに危険を及ぼす行為.
例) ガレキやギミックを壊し続ける.
フィールドに火を付ける.
飛び道具を使う.
観客に向かって突進する.
・レスキューとは無関係な(レスキューに反する)明確な,あるいは,
意図的な行為.
例) 直接的にも間接的にもレスキュー活動をせずに,フィールドを動き回るだけ.
観客の前でパフォーマンスをして何かの宣伝や売名行為をする.
・偶発的か意図的かは問わず,ダミーを破壊した場合.
例) ダミーの手や足をもぎ取ってしまった.
●レッドフラグの手順
・レッドフラグの反則は,原則として副審が判断する.
・反則行為と判断したら,副審が笛を吹き,手に持っている赤色の旗を挙げる.
・主審がマイクを通じて宣告「…チーム,レッドフラグ」
・宣告されたチームは全てのロボットを停止しなければ
ならない (自律型の場合は,フィールド係が一時停止ボタンを押す).
・停止できない場合は,リスタートを申告することができる.
リスタートの申告がなく,停止しないロボットが反則の対象のロボット
以外の場合は,同時にそのロボットにもレッドフラグが与えられる.
・全てのロボットが停止した後に,主審がマイクを通じて,
反則の内容を告げる.
「…チーム,X号機,…によりレッドフラグ.」
・対象のロボット以外が既に全て退場している場合は,主審はマイクを通じて
その旨を告げ,ここから先,ブラックフラグの手順に移る.
・ブラックフラグになる場合以外は,主審は,停止後20秒以内にアナウンスを
済ませロボットの退場を指示し,プレゼンテータが該当ロボットをフィールド外に
運び出す.そのロボットは,その試合の間はフィールドに戻すことができない.
・ロボットが運び出された後に,主審は,再開を指示して合図の笛を吹く.
・記録係は,1回のレッドフラグの度に以下を記録する.
* 反則したロボットの番号
* 反則の内容
* 副審が笛を吹いた時刻
* 全てのロボットが停止した時刻
* 主審が再開の笛を吹いた時刻
■ブラックフラグ (失格)
●概要
・競技中にチームの一部の人間やチーム全体が競技規則に違反している場合に
与えられる.
・チームに対して与えられる.
・ブラックフラグが宣告されると,その時点でチームは失格となり,
競技は没収(競技を続けることができない)となる.その競技の
点数はなし(評価しない)で,各賞の受賞資格もなし.
●ブラックフラグになる反則
・バードアイビュア以外がお立ち台に上がる.
・壁の向うの競技者がフィールド側に入る.
・プレゼンテータと壁の向うの競技者のコミュニケーション.
・審判の指示に従わない.
●ブラックフラグの手順
・ブラックフラグの反則は,原則として主審が判断する.
・反則行為と判断したら,主審が笛を吹き,手に持っている黒地に白のペケの
旗を挙げ,マイクを通じて宣告「…チーム,ブラックフラグ」
・宣告をされたチームは全てのロボットを停止しなければならない
(自律型の場合は,フィールド係が一時停止ボタンを押す).
・全てのロボットが停止した後に,主審がマイクを通じて,
反則の内容を告げる.
「…チーム,…によりブラックフラグ.」
・そのチームは競技没収.
・記録係は,ブラックフラグに対して以下を記録する.
* 反則の内容
* 主審が笛を吹いた時刻
* 全てのロボットが停止した時刻
プレ大会の会場では,商用放送の電波の混信のため,ダミーのセンサ値を利用
することができず,代りとして,ダミーに対するイエローフラグ1回につき,
■概要
・総得点S(1000点満点)は以下の式で計算される.
S = R1 + R2 + J×4
R1 第1ラウンド小計 (300点満点)
R2 第2ラウンド小計 (300点満点)
J 審査員点 (100点満点)
■第1ラウンド
・第1ラウンドの小計(300点満点)は以下の式で計算される.
R1 = E1 + M1 + T1
E1 エネルギーポイント (100点満点)
M1 ミッションポイント (100点満点)
T1 タイムポイント (100点満点)
●エネルギーポイント
・初期値は100点.
・ダミーの受けたダメージを反映して,時間とともに単調減少.
・ダミーのセンサの積算値をXとすると,
E1 = 100・exp(-a・X)
aはダミー固有の定数.
●ミッションポイント
・救助作業の達成度を「現場到着」「救出完了」「搬送完了」の3段階で評価し,
それぞれのダミーに対して各段階が達成すると,それぞれ,20, 50, 30点
が与えられる.
・作業の達成の判断は,そのダミーを担当している副審が行なう.各段階が達成
されたと判断した時に,手に持っている緑色の旗を上に挙げる(笛は吹かない).
・副審の旗を見て得点表示の担当者は,対応する入力を行なう.また,記録係
は,その時刻を記録する.
●タイムポイント
・救助作業が全て完了した(ダミーの搬送が完了した)時点の残り時間に対応する.
・残り時間が5分以上の場合(つまり5分以内に救助した場合)は100点.
それ以外は残り0〜5分を0〜100点に比例させる.残り時間をt秒とすると,
T1 = 100 (t>300)
= t/3 (t≦300)
小数点以下は切り上げる.
例) 残り1秒は1点.
■第2ラウンド
・第2ラウンドの小計(300点満点)は以下の式で計算される.
R2 = E2 + M2 + T2
E2 エネルギーポイント (100点満点)
M2 ミッションポイント (100点満点)
T2 タイムポイント (100点満点)
●エネルギーポイント
・初期値は100点.
・2体のダミーの受けたダメージを反映して,時間とともに単調減少.
・ダミー1,2のセンサの積算値をそれぞれX1,X2とすると,
E2 = 50・exp(-a1・X1) + 50・exp(-a2・X2)
a1, a2はそれぞれのダミー固有の定数.
●ミッションポイント
・救助作業の達成度を「現場到着」「救出完了」「搬送完了」の3段階で評価し,
それぞれのダミーに対して各段階が達成すると,それぞれ,10, 25, 15点
が与えられる.
・作業の達成の判断は,そのダミーを担当している副審が行なう.各段階が達成
されたと判断した時に,手に持っている緑色の旗を上に挙げる(笛は吹かない).
・副審の旗を見て得点表示の担当者は,対応する入力を行なう.また,記録係
は,ダミーの番号とその時刻を記録する.
●タイムポイント
・救助作業が全て完了した(2体目のダミーの搬送が完了した)時点の残り時間
に対応する.
・残り時間が5分以上の場合(つまり10分以内に救助した場合)は100点.
それ以外は残り0〜5分を0〜100点に比例させる.残り時間をt秒とすると,
T2 = 100 (t>300)
= t/3 (t≦300)
小数点以下は切り上げる.
例) 残り1秒は1点.
■各作業段階の達成の定義
判断を明確にするために,作業の内容ではなく,ダミーの位置関係のみで
作業段階の達成を定義する.
●現場到着
・ダミーの居るガレキゾーンの可動ガレキエリア(ガレキゾーンの中のダミーを
置くために用意された1/4のエリア)内のガレキかダミーに,いずれかのロボッ
トが触れた時点を現場到着とする.
●救出完了
・ダミーの体の全てを最初に含まれていたガレキゾーンの外に出した時点
を救出完了とする.
●搬送完了
・ダミーの体の全てをホスピタルゾーンの中に入れた時点で搬送完了とする.
p
・ロボットに載ったまま,あるいは,把持されたままでも完了とする.
■審査員点
・第2ラウンドの競技内容を評価する.
・第2ラウンドの全試合が終了した後に,各チームの点数を順番に評価していく.
・各審査員は自分の評点を書いた札を提示する.
・審査員には,予め審査要領の説明文書を配布しておく.
・審査員点(100点満点)は7人の審査員の点の合計である.
・専門審査員3人の持ち点は20点,一般審査員4人の持ち点は10点である.
・専門審査員は14点,一般審査員は7点を標準(中立)として評価する.
(C) 2000 Rescue Robot Contest Committee