プレ大会で用いたダミー
概要
要救助者を模擬するダミーはこのコンテストの要です.ダミーの受ける力や
衝撃をセンサで計測し,その値をレスキュー作業の評価に加味します.
プレ大会のために製作したダミーでは,胴体に感圧導電性フィルムを巻き,ダ
ミーにかかる力を測定できるようにしました.センサの感知した値を100Hzの
矩形波の振幅に変換し,その信号をFMワイヤレスマイクの回路を利用して,フィー
ルド外のコンピュータに送り,実時間でモニタします.
残念ながら,会場における商用放送の電波が予想以上に強く,ダミーからの電
波を正常に受信することができず,ダミーのセンサ値を利用することを断念し
ました.
現在は,本大会に向けて,加速度センサの追加,手足のセンサ,信号のデジタ
ル化,送受信系の改良などの検討を行なっています.
仕様
- 身長:27cm程度.胴周り24cm.手足周り約6cm.
- 重量:156.5g(服を着た状態,006Pの電池なし).電池を含むと200g.
- 人形本体は,バルサ材.関節は,バネで接続.
ダミーの概観 (服着用)
ダミーの概観 (服なし)
送信側回路の様子
回路構成
送信側
受信側
コンピュータ上での処理
ダミーから送信されたセンサ信号は100Hzのバイアスがかかっているため、
10msのサンプリング周期でA/D変換を行い、1周期分の波形をそのまま取り込み
ます。取り込んだ信号波形に適当なフィルタをかけることにより、ダミーに与
えられた刺激(センサシートへの圧力)の有無を抽出し、そのときの電圧とし
て得られた値を、あらかじめ設定されたダミーの特性にあわせて256段階(0〜
255)の「痛さ」情報として得ます。
画面上では円弧状の棒グラフに256段階をそのまま角度に換算して表示してあ
ります。つまり、最大値255は、255度の角度として表現されています。200を
越える「痛さ」は、棒グラフ上では赤色で表現し、「我慢できない痛さ」であ
ることを表示します。当初の設定では、この赤色に相当する信号が感知される
度に、ダミーの持つエネルギーポイント(初期値100)を減ずる処理を行うよ
うになっていました。
(C) 2000 Rescue Robot Contest Committee