第11回レスキューロボットコンテスト
競技について
概要
競技会場には、市街地を模擬した1/6スケールの実験フィールドがあり、その中に要救助者を模擬したレスキューダミー(愛称ダミヤン)が配置されています。フィールドの中に坂道や高台や歩道橋なども設けています。このフィールド内で同時に2チームが競技を行います。競技において、最初にプレゼンテーション(2分)を行ない、次に作戦会議(1分)を開いて、ヘリテレカメラで撮影するカメラ映像を基に、ダミヤンの救助作戦を立てます。その後、レスキュー活動(12分)を行ないます。各チームのロボットは、ロボットベースから出動し、レスキュー活動時間内に3体のダミヤンを連れ帰らなければなりません。オペレータはコントロールルーム内でロボットに搭載されたカメラの映像だけを頼りにロボットを操縦します。また、競技中に、コントロールルーム間通信装置を使用して、チーム同士で連絡を取ることもできます。
競技会場の見方
今回の新しい取り組み
- 参加チームを増加
ファーストミッションは12から14チームに、ファイナルミッションは6チームから8チームになります。できるだけ多くのチームに参加してもらい、また、充実したファイルミッションを行うためです。 - 個体識別を重視
ダミヤンごとの個体識別の配点が10点から20点へ倍増します。救助をしても、個体識別がうまくいかないと高ポイントが得られません。 - ガレキの難易度がアップ
倒柱ガレキが角柱から円柱になり、乗り越えにくくなります。また、 家ガレキの中にも柱状ガレキが置かれ、 救出が難しくなります。 - コントロールルームの配置を変更
コントロールルームの様子を観客から見やすくなるようにします。
チームのメンバー
チームを統括する「キャプテン」、チームのアピールを行う「スピーカー」、ロボットの操縦、ヘリテレカメラの操作を行う「オペレータ」、リスタートの際にフィールド上のロボットをロボットベースまで運搬する「ヘルパー」、レスコンボードおよびそれに関連する機器の管理を行う「レスコンボード管理」、相手チームと連絡を取り合う「コントロールルーム間通信者」で構成されます。チームメンバーは、最大10名まで登録できます。
ロボット
ロボットにはカメラが搭載されており、オペレータはフィールドを直接見ずに、カメラの画像だけを頼りに無線で遠隔操縦を行います。複数台のロボットは競技開始時にはロボットベースに待機しており、スタートとともに、通路を通って被災区域内の現場に向かいます。競技開始時に全機がロボットベースの枠内に収まることが求められています。しかし、台数、重量などには制限は設けられていません。自由な発想を促すために、できるだけ制限を設けないという方針です。
レスキューダミー(愛称:ダミヤン)
要救助者を模擬した身長20〜30cmの人形で、ゴムとスポンジでできた柔らかい体をしています。圧力センサや加速度センサを内蔵しており、その信号をフィールド外のコンピュータへ電波で送信します。それに基づいて痛みや不快感を計算して画面に表示し、フィジカルポイントを評価します。各チームが救出すべきダミヤンの数は1競技3体です。離れた場所から要救助者を診断することを想定して、各ダミヤンには、体重、音、光、胸のマークが個体情報として設定されています。
点数評価
競技ポイント(900点満点)
= ファーストミッション確定ポイント(450点満点)
+ ファイナルミッション確定ポイント(450点満点)
総合ポイント(1500点満点)
= 競技ポイント+ 審査員ポイント(600点満点)
各ミッションの得点は,以下の二つのポイントを足したものです.
- フィジカルポイント
ダミヤンの体力を表しています。時間の経過と共に値が徐々に減っていき、ダミヤンに内蔵されたセンサが力や衝撃を検出する度に値がさらに減ります。これらは、ダミヤンごとに評価され、最初の値は100点です。 - ミッションポイント
救助作業の達成度を評価します。「救出完了」「搬送完了」および「個体識別」の達成についてそれぞれ所定のポイントが加えられ、満点はダミヤンごとに50点です。個体識別は、ダミヤンの個体情報を識別し、搬送完了より前に報告する課題です。三つの要素の配点は、第10回では25点、15点、10点でしたが、今回は20点、10点、20点になり、個体識別が重視されるようになりました。
画面の見方
反則
レスキューに反する行為、フィールドやダミヤンの破壊、危険行為などに対しては、審判の判断で反則が採られます。反則は、「イエローフラグ(警告)」「レッドフラグ(退場)」「ブラックフラグ(失格)」の3つに分類されます。これらに対するペナルティは、競技の一時停止、該当ロボットまたは該当者の退場、競技の没収です。
表彰
主催団体からの授与
- レスキュー工学大賞(計測自動制御学会賞)
- inrevium杯
- ベストパフォーマンス賞
- ベストチームワーク賞
- ベストオペレーション賞(サンリツオートメイション賞)
- ベストロボット賞(日本ロボット学会特別賞)
- ベストプレゼンテーション賞
関連団体からの授与
- 消防庁長官賞
- 日本消防検定協会理事長賞
- 第7回竸基弘賞レスキューロボットコンテスト奨励賞(NPO法人国際レスキューシステム研究機構)
- 日本機械学会ロボティクス ・ メカトロニクス部門一般表彰